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由起子さん写真

3月11日、ジョニーの女主人 照井由起子さんは、いつものようにジョニー店内にいた。14:50 津波警報が鳴り響き、あたりが騒然となった。
慌てて店を飛び出したら遠くに黒い壁が近づいてきていた。全力で裏山を駆け上がって街のほうを振り返ったら3つの大きな渦が市街地の車が家などありとあらゆるものをおもちゃのようにして飲み込んでいた...
現在、照井さんは、陸前高田市第一中学校避難所で長い避難所生活を送っている。30年ともにしてきた店もレコードも楽器も厨房道具は、当然、みじんも残っていない。さらに、毎日のように来店し由紀子さんの心の支えとなっていた常連のお客さんが亡くなったり行方不明だ、という情報も次々と判明していく。一時は、どうなることか茫然自失していたが、同じ境遇を体験した人たちと生活を共にしいろんな情報を交換したり食事を一緒につくったりしているうちに、とにかく、前に進むしか無い!という前向きな気持ちになれたという。
そして、今、店再開に向けて立ち上がった。愛されてきた店だけに協力してくれる人も多い。ガレキの山から見つかったレコードを元の店の場所に置いてくれた方。健在だった頃の貴重な店の写真を持ってきてくれる人。厨房道具を集めてくれる人、、照井さんは、今、そうした人たちのためにも、絶対店を復活しようと誓い、動き始めた。市が公募している共同運営店舗への応募、候補場所のリサーチ。
新ジョニーのことを話す照井さんの表情は明るい。 「レコードよりも何よりも、とにかく、来てくれた人に珈琲を入れてあげて、ゆっくり話したいんです。お客さまが集まってくれるのが一番です。」
1日1日着実に復活に向けて歩き始めています。
※この情報は、4月初旬時点での情報です。現在は、仮設プレハブ店舗にて営業を再開しております。ただし、店舗無償支援も2月迄という現実もある中、ジョニーを巡る状況は決して甘くはありません。それでも、お客さんと対面する由紀子さんの表情は避難所にいる時よりもやはり明るいように見えます。とにかく少しずつ前進し続けております。
由紀子さんのメッセージや今の仮設店舗の写真、最新情報は「近況」のページで紹介されています。是非ご覧ください。

店内写真

ジョニーがあった付近の現在の写真。街の目抜き通りの突き当たりにあった店の痕跡は全くないといってもいいほど。

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店内写真

ジャズ喫茶ジョニー、1975年陸前高田市高田町にオープン。プロ、アマ、ジャンルを問わず、数多くのライブを催してきた。LPレコード6000枚シングル1000枚CD1000枚ライブの録音テープ500本が並んでいる。アンティークorレトロ?様々な装飾が独特の雰囲気を醸し出している。丁寧に淹れてくれる濃いめねコーヒーを味わいながら、ポスターで埋め尽くされた天井を眺めていると時を忘れるようだ。


昔のジョニー写真

子供の頃から親に連れられよくいっていた。父親は毎日毎晩通っていた店。
いつも行くと見なれた顔が集まって常連さんの憩い店。
今、津波に流され街には憩い場はない。どの街にもきっとある憩い。
亀卦川広多